e-OHNO MAIL NEWS 第155号

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e-OHNO MAIL NEWS 第155号
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今月号のe-OHNO MAIL NEWSの編集を担当させて頂くこととなりました、修士1年の阿部誠也と申します。
今月号のメールマガジンは、以下のコンテンツでお送りいたします。

■ 今月号のコンテンツ ■
【1】早稲田佐賀・甲子園初出場観戦記    大野高裕

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【1】早稲田佐賀・甲子園初出場観戦記    大野高裕
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学校創設8年目の早稲田佐賀高校が高校野球の佐賀県代表として、初めて甲子園の土を踏みました。早稲田佐賀は早実や早稲田高校などのように学校法人が大学とは別法人ですので、「系属」と呼ばれる高校になります。学校法人名は大隈重信の出身地ということもあり、大隈記念早稲田佐賀学園と言います。学校のある場所は元々唐津市の唐津東高校があったところで、海のほとり、唐津城の真下にある風光明媚な所です。開設当時の校舎等の建設に当たっては、大野研OBである松尾哲吾さんが社長を務める地元、松尾建設さんに大変お世話になりました。そして、多額のご寄付も頂戴いたしました。(松尾社長、どうもありがとうございました)

8年前というのは、ちょうど私が教務部長になる頃でしたので、早稲田佐賀へはちょくちょく訪問しました。まだ学校が出来立てということで、大学学部との接続(進学・教育)をどうするかといったことの調整作業や見守りがあったのです。生徒数は中学高校合わせて約1,000名ちょっとですが、東京などからの就学者が多いので、寮生が半分強を占めています。いつ行っても、生徒たちは学校ですれ違うと、誰もが元気に「こんにちは!」と挨拶してくれます。とてもさわやかで優れた人間教育が習慣づいているなと感じさせられす。(それに比べると、私の母校・高等学院では誰ひとり「こんにちは」とは言いません。こちらが「こんにちは!」と声をかけると、びっくりして返事をする有様です・・・)

4年前には佐賀県大会の決勝まで勝ち進み、1点勝ち越して9回2アウトランナー無しまで行きました。もう誰もが”優勝”と思った瞬間に連打連打を浴びて同点となり、延長戦で負けてしまいました。早稲田佐賀の開設当初の事務局長をやっていた私の親しい友人の田村さんは、決勝戦に現地まで乗り込み、その9回には、甲子園出場を確信して球場から寄付集めの電話をあちこちの有力者に掛け捲っていました。ところが・・・あれあれ・・・。ということで、今回の佐賀県大会決勝戦では、田村さんも私も東京からパブリックビューイングで早稲田キャンパスから応援をしました。現地に行って応援すると負けてしまいそうな感じがしたのです。

さて、パブリックビューイングをやるということは前日の晩に決まったそうですが、夏休みで東京に戻ってきた在校生や父兄、それにこの春学部を卒業した1期生や学部生たち7,80名ほど集まりました。なんでそんな直前のアナウンスで一杯集まったかというと、それはLINEの威力なのです。LINEで次々と伝言ゲームのように伝わっていったというのです。LINEを使いこなせていない私にとっては”取り残されている感”が強いところです。

その7月23日の県大会決勝では早稲田佐賀が着々と点を積み重ねて、9回の最後の相手(鳥栖高校)の攻撃では6対1とだいぶ点差はついていましたが、誰もが4年前のことが頭にこびりついていて、し~んと静かなままです、2アウトになっても「あと一人」コールは起きません。そして最終バッターがアウトになった瞬間に、「やった~」と喜びが炸裂しました。田村さんは涙を浮かべ、そして彼と私は抱き合って、しみじみと「よかったねえ」と何か一仕事を終えた「ほっとした感」に浸りました。

そして甲子園出場が決まったので、勝ち負けはともかく、「絶対に甲子園に行って応援する!」という固い決意の下に、先日OB/OGの皆さまにメールで呼びかけしました「応援一緒に行こう!」キャンペーンや「寄付お願い」運動をさせていただきました。残念ながら、皆さん、お盆休み前のお仕事が忙しくて、”大野研応援団”を組むことはできませんでしたが、多くの方々から、早稲田佐賀の甲子園派遣のためのご寄付を一杯いただきました。本当にどうもありがとうございました。呼びかけメールでも書きましたが、甲子園で1試合応援するには応援団の交通費などで3,000万円くらい経費がかかるそうです。ですから、学校としても甲子園に出場はうれしいものの、必要経費分をどうやってかき集めるかで苦労をするそうです。これが勝ち進んでいくと3,000万円×(勝ち星数+1)になるわけですから、1回戦から決勝まで行くとなると6試合1億8,000万円となります。これは大ごとです。もっとも、県内の伝統ある進学校が数十年ぶりに出場となると、県内の名士たちがこぞって多額の寄付をし、またそういう学校はほとんど緒戦で姿を消す(ゴメンナサイ)ので、莫大な寄付金が残ってしまい、それを使って学校の施設設備を充実させることができるのだそうです。

さて、8月10日がいよいよ早稲田佐賀の登場となりました。朝の新幹線で前出の田村さんと合流して出発です。家内・みな子さんが「まるで小学生の遠足みたいだねえ」と言うように、前の日からバッグに荷物を詰めて準備万端。こんなにウキウキするする旅行は何年振りでしょうか?何しろ、初めての甲子園詣でであり、史上初の甲子園での「都の西北」斉唱です。期待に胸膨らますなと言う方が無理難題というものです。甲子園に着いて外から球場を見上げると「デカイ」。テレビで見るよりもデカイ。迫力が違います。応援団用のアルプススタンド側の入り口に早稲田佐賀関係者が集合して、学校事務局から「W」の入った早稲田の野球帽とエンジ色のメガホンを戴いて、そろってイザ入場です。

無題

写真にあるように、アルプススタンド1塁側のブラスバンドの応援団のすぐ後ろに陣取りました。​

度肝を抜かれたのは内野の黒い土と外野の天然芝生の美しさです。東京六大学野球でしばしば訪れた神宮球場やプロ野球の東京ドームとは全く違う風景です。それは人工芝ではないということもあるのでしょうが、何か神々しいのです。高校野球の神様がおわせられる雰囲気なのです。高校球児たちが甲子園を目指す気持ちが分かるような気がします。「ここで野球をやりたい」という開催99回にいたる歴史の中でこれまでの高校球児たちの霊魂がここに集結しているように思われるのです。

早稲田佐賀の選手たちに甲子園に連れて来てもらって本当によかったと、心の底から感謝しました。試合が始まる前から、その気持ちだけで一杯となり、もう試合の勝ち負けなど関係なくなり、ただただ選手たちにこのかけがえのない時間を思う存分に楽しんでもらいたいという心持ちとなりました。選手たちが飛び出してきて、試合前練習をして、そしてプレイボール。どの選手も嬉しそうでうれしそうで、この場に立っていることの幸せをしっかりと噛みしめています。それだけで、涙があふれてきました。「本当によかったね。かけがえのない時間、経験だね」と心の中でつぶやきました。

攻撃時には「紺碧の空」「コンバットマーチ」を歌いまくり、2回と7回には「都の西北」の大合唱です。夢にまで見た甲子園での「都の西北」。歳をとって涙もろくなり、ここでも嗚咽です。

試合の方は早稲田佐賀が三振と当り損ねのゴロを繰り返しているのに対して、相手チームは鋭いヒットを放ちます。ちょっとしたミスに乗じられて、気がついたら4回までで0対5とリードされてしまいました。しかも、こちらはノーヒットです。もしやこのまま・・・、などという弱気な気持ちも出始めました。しかし5回以降はヒットが出始めて7回には2点返します。ここで肩を組んでの「紺碧の空」の大合唱。神宮球場での早慶戦と同じ雰囲気を甲子園で味わうことができました。安打数では8安打と10安打でほとんど差はなかったのですが、早稲田佐賀は出塁がなかなか効率的に点数へはつながらず、試合結果は2対5で負けとなりました。

試合終了後の選手たちのアルプススタンド前での挨拶では涙がありましたが、しかし私たち応援団からすると、本当に「連れてきてくれてありがとう~。よくやった!」というのが偽らざる本音で、試合結果に関係なく、選手たちにただただ感謝でした。感謝と言えば、早稲田佐賀の選手たちが自分の守備位置に着くときに、必ず帽子を取って一礼していました。これは彼らがいつもやっている、ごく自然なことなのでしょうが、非常に心を打たれました。グランドに立ってプレイできることに対するあらゆることへの感謝を捧げているのだと思います。特に甲子園でプレイできる幸せへの感謝も特別に込められていたのではないでしょうか。私も思わずその姿と一緒になって「ありがとうございます」と感謝をさせていただきました。

今回、甲子園には高校野球の神様がおわしますと感じました。それは高校球児たちが真剣に甲子園を目指しているからなのだと思います。みんなの共通の夢・思いが甲子園という場に結集した結果、神が出現し、そして暖かく見守ってくれるのでしょう。一人ひとりが夢に向かって一生懸命取り組み、そしてこれが束ねられると大きなエネルギーを生み出し、さらにはそれが八百万の神の一つをここに生み出したのではないかと体感した次第です。

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◇◆ 編集後記 ◇◆
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「e-OHNO MAIL NEWS」第154号はいかがでしたでしょうか?大野先生と研究室の現在の雰囲気を感じていただければ幸いです。
また、e-OHNO MAIL NEWS で大野研OB・OGへ発信したい情報等、ございましたらお寄せください。お待ちしております。

なお、バックナンバーは大野研究室のHP内でもご覧いただけます。
第155号編集担当 阿部誠也

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発行元:早稲田大学 創造理工学部 経営システム工学科
早稲田大学大学院 創造理工学研究科 経営デザイン専攻 大野研究室

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