e-OHNO MAIL NEWS 第175号

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  e-OHNO MAIL NEWS 第175号 2019/4/27

      https://www.ohno.mgmt.waseda.ac.jp/wordpress/

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発行が遅くなり大変お待たせいたしました。今月号のe-OHNO MAIL NEWSの編集を担当させて頂くこととなりました、学部4年の摩嶋翼と申します。

今回のメールマガジンは、以下のコンテンツでお送りいたします。

■ 今月号のコンテンツ ■ (敬称略)

【1】「研究って、たのしいなあ~」   大野高裕

【2】ビジネス最前線  松元貴志

【3】リレーエッセイ第10号

(シニアの部) 池田晃久

(中堅の部)   宮口直也

(若手の部)   永山恵輔

【4】不定期連載 「ウェルカムバック!」 大野高裕

   

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【1】「研究って、たのしいなあ~」   大野高裕

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先月号では走りの桜の写真を載せましたが、今月はソメイヨシノ満開の桜を高田馬場の先で、私の家(落合)の近くにある神田川が流れる小滝橋から撮りました。

今年の桜は寒さのおかげ(?)で長持ちしたので、何度もお花見をした人も多かったのではないでしょうか。また珍しく卒業式にも入学式にもきれいな桜がお祝いしてくれて、うれしさもひとしお高まったと思います。よかったですね。

卒業式といえば、恒例の研究室謝恩会も3月26日(卒業式当日)に開いていただきました。どうですか、集合写真を見てください。1年間、2年間の苦労と、最後まで手に汗握る危機の連続を乗り越えた勇士たちの笑顔がなんとも愛おしいです。OB/OGの皆さまも自分のときのことを思い出されるのではないでしょうか。「大変だったけど、終わってみればいい思い出・・・」といったところではないでしょうか。

さて、新年度が始まって、OB/OGの皆さまのお仕事も新たなスタートを切ったと思いますが、大野研究室でも卒論・修論ゼミがリスタートしました。学部生にとっては卒論という未知の世界への挑戦がいよいよ本格化し、年末までにはきちっと「結果を出す」ことが求められます。これまでの児童・生徒・学生生活がすべて「既存の知識を間違えずに理解して上手に表現する」という学修だったのが、いきなり「答えのない未知の世界で新しいことを作ってみろ!」と要求されるのですから困惑するのは当然です。早稲田に入るほどの秀才ならば、知識の吸収とその吐き出しが大得意で頭脳がそのパターンに染まっているだけに、かえって正解のない世界、創造の世界は不得意かもしれません。自分で常識の枠組みを作って自縄自縛となり、新しいアイディアが出てこなかったり、浮かんできても「こんな馬鹿なアイディアなんて・・・」と自分で否定してしまう。よい子・秀才・真面目な人にありがちな罠・ドツボです。学生を見ていると「もっと自由にハチャメチャなこと考えればいいのに・・・」とよく感じます。ひょっとすると研究室の中で私が一番メチャクチャな突拍子のない発想をしているのではないかと思います。

新学期が始まると、必ず大野研メンバーに『研究室運営方針』をお話します。これは2001年から資料を作ってやっているので、憶えているOB/OGの方もいると思いますが、その中に研究推進の基本方針として「研究は楽しい・わくわくする」ものとしてやろうと呼びかけています。ではどうすれば楽しい・わくわくするのか? まずは研究を「やらされている」と受け身に思ったら、絶対に楽しくありません。仕事もそうですよね。そうではなく能動的に「やりたくなる」ように自分を仕向けることが大切だと思います。ではどうすればやりたくなるのか? それは自分がやっている研究が「凄いことなんだ!」と思うこと、極端に言えば自己暗示をかけることだと思っています。そうすると、やる気ができてきて、興味も湧いて、突拍子もないアイディアも出てきて、自信も湧いてきて、「私ってすごいんじゃない?!」って思えるようになるのです。まさに『正のスパイラル』が形成されてクルクル回り、それにハマると研究成果も加速度的に上がってくるものです。

このことは、もちろん自分自身やってきました(大学運営の仕事でもこの手を使ってきた)が、最近は学生にも外から働きかける力としてやっています。これまでは大学本部の仕事に時間の大半を取られていたので、研究について学生と意見交換するのはゼミの時間だけでした。そうなると、どうしても短時間で結果を出さなければならないので、悪いところ、まずいところ、修正すべきところといったネガティブなところにだけ目が行ってしまい、結果、コメントも「ここはダメ、あそこを直せ、まだ足りない」といったトーンになってしまいます。そうなると、まさに研究は「やらされてる」感が満載ですよね。ゼミに向かう足もトボトボと元気がなくなります。「風邪でもひきたいなあ、でも卒業できなくなると困るし・・・」と仕方なくゼミの時間をひたすら耐える・・・。 OB/OGの皆さんはそんな想いをしていたのではないでしょうか?(今更ですが、ゴメンナサイね)

この半年、時間ができたので、ゼミ以外に研究の個別相談に多くの時間を割いています。そのほとんどは大学院の人たちで、なかなか学部までは手が回りませんが、それでも大学院の人たちとは相当、個別に1度に1時間、2時間かけて議論をします。まず、院生がやっている研究の話を聞きます。彼らは説明用のpptを持ってきて説明をしてくれるのですが、話をしている間に私はホワイトボードに研究キーワードをどんどん書いていって、その関係を線で結んで研究の構造を『絵』にします。これによって、複雑な研究の構造が一覧性を持つことなり、全体像がクリアになるのです。そうすると院生本人が混乱していた自分の研究の全体像が確認できることになります。院生は頭が良すぎるので、どうしても研究の細かい部分(数式や分析手法)に囚われてしまい、いつの間にか全体像を見失いがちになります。つまり「木を見て森を見ず」状態、「森をフラフラさまよう迷子ちゃん」状態に陥ります。そうなると、部分最適ではあっても全体最適ではないような、全体構造がいびつな研究内容になってしまうのです。全体構造を簡単な絵で表現することで、自分の研究の全体構造をまず確認してもらい、自分の思い(やりたいこと)と違っている部分は修正してもらいます。

次に私が問うのは「これ、できたらどんな価値があるの? 誰がうれしいの?」ということです。つまり研究の成果が世の中にどう役立つのかということがわかれば、研究のやりがいが自ずと沸いてくるものです。人は誰でも、だれかのために役立つ時が一番うれしいし、やりがいがあります。恋人のため、家族のため、仲間のため、見知らぬ人のため・・・。レベルや範囲は様々でも、喜んでくれる顔を見るときが至福のときだと思います。自分の研究がすごい価値をもたらしそうだと気づいたら、これはわくわくしますよね。ですから、私は「すごいじゃない、これできたら〇〇が喜んでくれるんだから楽しいよね」と暗示をかけます。すると院生も自分はなんかすごいことをやっているんじゃないかと乗ってきてくれます。

そして、「これって、まだ世界の誰も気づいてないんじゃない? すごいんじゃない? 天才かもよ」と迫ります。すると、院生からは笑みがこぼれて顔が明るくなります。「でもさあ、ひょっとすると誰かが何かやってるかもしれないから、ちょっと調べておこうか」と水を向けると、まるで特許取得に向けて、誰かに出し抜かれていないか調べよう、という獲物を求めるハンターの顔つきになります。通常「従来研究ちゃんと調べた?」と言われると、まさにやらされている感で、「適当にやっとけばいいや」というアリバイ作りに励むことになるのですが、『ハンター』となると本気度が違いますから、深く、そして楽しくその作業を行うことができるようになるのです。

最後に「これってさあ、こちらの川上部分とか川下部分とかを拡張すると、もっとすごい成果の出るすごいスケールの研究に発展するんじゃないの?」と言うと、研究の将来的な展望が見えてきて、自分の研究の価値の潜在能力の高さに気づき、ますますモチベーションと自分への自信が深まるのです。

「すごくいい研究を見つけたよね。将来性あるし、目利きだよね~」というラップアップあたりでディスカッションは終わるのですが、院生の自信に満ちた顔とやる気のオーラにはすごいものがあります。元々、極めて優秀ですから、その気になってくれさえすれば、私などいなくても大丈夫。研究の細かい部分は私などより全然詳しいですから、これはもうお任せです。

修士1年は5月に、修士2年は秋に学会発表することにしています。一応、大野研ルールの院生の『義務』なので、形式的には「やらされてる」のですが、自分の研究を世の中に知らしめ、、また価値を社会に及ぼしたいから「やりたくなる」というモチベーションで臨んでもらえるように、私がコーチングできればと思っています。私自身、院生たちとの研究の議論は本当に楽しくて、時間を忘れてしまいます。それは私も院生と一緒に「この研究すごいなあ。おお化けするなあ。どきどきするなあ」と、自分のことのように一体となっていることもありますが、と同時に、大学の研究は直接的にビジネスとか儲けに直結せず、「研究成果が人々を幸せにするはずだ」という無責任あふれる(?)ロマンに満ちているからだと感じています。

ほんと、みんなとやってる研究は心

底楽しいです!

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【2】ビジネスの最前線    中村貴裕

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大野研を1995年(平成7年)に卒業しました中村貴裕と申します。「平成最後」のビジネス最前線の記事となりますでしょうか。少し長文になってしまったのですが、どうぞ宜しくお願いします。

当方の学生時代は8割以上が修士に進学しましたが、当方は4年間の大学生活後、すぐに社会人となりました。入社したのは総合商社、三井物産です。

さて、このコラムを読んでいる方は、就職活動を控えた学生の方もいるかと思慮しますが、そんな皆さんに質問があります。「就職するとしたら、どんな業界に行きたいですか?」 これについては、様々な意見があると思います。そして、もう一つの質問です。「就職するとしたら、どんな業界には『行きたくない』」ですか?」

なぜそんな事を聞くのか、それは、私が就職活動前、最も行きたくないと思っていた業界が「商社」だったからです。商品を左から右へ、そのまま受け渡すイメージしかなく、安価に購入して高く売る、なんと意味のない会社なのだろう、いつか不要になる会社、と思っていました。「商社不要論」なんて言葉もありました。しかし、就職活動で200人超のOB訪問をした中で、商社の方とお会いすると、目を輝かせ、夢を持ちながら、新ビジネス創造の話を熱くされる方が多く、いつしか「こんな方々といっしょに仕事したい」と思うようになり、仕事の内容はよくわからないまま、第一志望の業界になっており、入社に至りました。

文系の方が多い会社ですが理系学生として三井物産に入社、興味があった「IT関係の事業創造」を行う部署に配属され、営業として最初に担当したのは「ルーター」の輸入販売。北米で製造されたルーターを日本国内の代理店やお客様に販売していました。販売数量は一定の規模あったのですが、品質問題等でお客様からのクレーム等がありました。対応方法を様々模索していた中で、当社にて検品センターを設立する事になりました。品質問題は北米の製造元会社の責任であり、なぜ当社が?と、最初は疑問に感じながら対応していたのですが、結果として、検品センターにて、良品の製品のみをお客様に提供する事ができ、問題となっていた部分が確認できたので北米工場でも迅速に設計変更等の対応を頂き、品質問題もかなり改善され、売上も大幅に向上しました。

そして、様々なお客様から「処理速度の高いルーターが欲しい」との依頼を受けるようになりました。10mb/sが主流だった時代でしたが、その100倍、1000mb/sの高速処理が必要になる、と直感した我々チームは、北米の製造元に、当該製品の開発を依頼しましたが、まだその時点では1000mb/sの標準技術仕様も決まっていなかった事から、開発は相当先になる、との話になりました。まだインターネットが世の中に知られ始めたばかりの頃でしたが、一気に普及する事、通信量が爆発的に増える事を確信しており、いち早く高速処理ルーターを、日本の求めるお客様達に紹介したかった事等もあり、チームメンバーで協議し、これを対応できるルーターを製造できる会社を別で探す事として、新技術の開発がさかんなシリコンバレー企業を多々訪問し、対応できる会社を見つけました。従業員20人以下の小規模な会社でしたが、技術力は確かです。北米やヨーロッパ展開がターゲットになっており、あまり日本の事を知らなかったその会社に対し、日本にこの技術を求めている方が多数いる事や、日本市場の大きさ等を話しながら、日本市場向けの新事業創造を持ちかけました。日本向け製品の開発資金は無い、との話もあり、当社が出資し、それを資金源として開発する事や、当社が日本市場を開拓して販売を行う事等を契約し、新たなビジネスの開始です。日本では全く知名度の無い会社のルーターでしたが、購入頂けそうな会社に、その良さを必死でアピールし、購入判断のコアになりそうなエンジニアに機器を貸与して操作に慣れてもらう等しながら、徐々に販売が広がりました。初めての製品だけに、品質に不安を持たれるお客様が多かったのですが、以前に対応していた検品センターを継続活用し、お客様自身に検品状況を見て頂く等して、不安を払拭していきました。一定のお客様がつくとリピートオーダーや口コミ等からガンガン売れ始め、販売専用の子会社を作るほどになりました。北米でも販売を拡大していたその会社が、上場する事になったのですが、その価値は爆発的に大きくなりました。出資をしていた当社として、所有していた株の価値が爆発的に大きくなり、製品販売の売上も右肩上がりで、全体として大型ビジネスとなってきました。投資家の方から、株価が大きくなった理由の一つとして「品質問題に厳しい日本での売り上げ比率が大きいのは、品質の高い製品を製造する技術がある証拠であり、更なる発展の可能性あり」と記載されたレポートを共有され、出資した会社からも感謝され、チームメンバーの皆で「やっていて本当によかった」等と話していました。

その後、ルーターを購入頂いていたお客様から、ワイヤレス機器、セキュリティ装置等の別製品が欲しい、等の依頼を受領するようになりました。どのような機能が必要になるかをヒアリングし、その製品の日本の市場規模等を調査した上で、これら分野でも新事業のチャンスが有ると判断、当方はシリコンバレー拠点にて日本のお客様に満足頂けそうな製品や会社を探し回り、いっしょに新ビジネスを創造できそうと思った会社と様々交渉し、合意後に出資し、日本向け販売を展開しました。ルーター事業で得た知見を活用して販売していくと、様々なお客様に売れ始めただけでなく、出資先から「日本向け販売を拡大していくには、どんな製品を作ればいいか」等と意見を求められるようになり、当方はその会社に席を頂き、様々な会議に出席して思った事等を伝えていると、「製造している立場からは全く見えなかった意見だ」「なるほど、そのように利用するとは想定していなかった。そうであれば、こんな機能も加えるといいかもしれない」等、感謝をされるようになり、実際に自分が理想と思ったような製品が製造され、売れると、やりがいを感じ、売上が向上すると製造元の様々な方に喜んで頂く事もでき、新たな事業を創造していく商社の大きな「存在意義」を感じました。その後、正式に当社から人を出して欲しい、等の話が来るようにもなりました。この頃から、会社全体でも、収益の柱が輸入や輸出等の物流から「事業に出資参画し、事業の価値を上げる」方向になり、我々も出資した事業会社に人を出向させ、その事業の価値をあげる事に注力するようになりました。

今は、当社の大型出資プロジェクトで、AI等を活用した事業価値向上等に取り組んでいます。経営システム工学科の授業にあった、工程管理のストップウォッチ法や、統計分析/OR等、もっとしっかりやっておけばよかった、と感じています。学生の皆さん、特に「統計学」は、身につけておくと将来、役に立つと思います。そして、就職先を検討するときは、ぜひ「行きたくない業界」のOBにも、会ってみるといいですよ(笑)。

令和時代のe-Ohnoメルマガ(ビジネス最前線を含む)も楽しみにしており、大野研のますますの発展を祈願しています!

<追伸>

・先日、長男が大学受験をする事となり、早稲田大学の募集要項を見ていたところ、私が在籍していた「理工学部」の名前がなく、基幹理工学部、創造理工学部、先端理工学部の3つに分かれており、パンフレット等を読んだのですが、違いがあまりわかりませんでした。長男から「どう違うの?それぞれ、どんな事をしているの?」等と聞かれましたが、出身校でありながら答えられず、この違いをどなたに聞くのがいいのか。。。等と検討していた時に、大野先生の名前が浮かび、久々ながらコンタクトしたところ、「早い方がいい、明日にでも会いましょう」と、週末にお会いさせて頂き、とても丁寧にご説明頂きました。

・学部の違いのみならず、早稲田大学の理工学部が発足した歴史に至るまで教えて頂き、感銘を受けました。(ここで伺った内容が、e-Ohnoメルマガの172号に記載されています)。

・実は当方の父親が早稲田大学理工学部工業経営学科卒業(十代田研)、当方は父親の話を聞きながら、工業経営学科に入りたいと思っており、早大高等学院から入学しました。いい学科と感じたので弟に勧めたところ、弟は受験して早稲田大学に合格し、同じく工業経営学科に入学しました(大成研)。なので、家族でも早慶戦や早明戦等、早稲田の話になる事が多く、早稲田関連は知っている話が多いはずでしたが、大野先生に伺った「理工学部の発足」の話など全く知りませんでした。卒業後20年以上経過した後で、母学部に関する貴重な話を伺えて、本当によかったと思いました。

・伺った話を長男に話したところ「ぜひ行きたい」との話になりました。そして縁あって、入学させて頂く事になり、この4月から通わせて頂いています。学科はなんと「創造理工学部経営システム工学科」です。(長男のインテンションは、「修士に行く割合が理工3学部の中で少なかった事」でしたが。。)。

・親子で早稲田大学出身の方は、聞いた事あるのですが、親子三代(弟を含めると四代?)で早稲田大学出身、それも「創造理工学部」「経営システム工学科」が全ていっしょなのは、少ない例かもしれません。長男が生まれて、名前を検討していた時に大野先生や奥様に相談させて頂いて決めた事、そして長男が早大に入学する事になり、入学月のコラムの執筆依頼を大野先生から頂いている事(依頼頂いた時は、入学は決まっていませんでした)等に、様々な縁を感じております。皆様、今後、長男がお世話になる事があるかもしれませんが、どうぞ宜しくお願いします。

・先週、父親として初めて早大入学式に出席し、戸山キャンパスに「早稲田アリーナ」なるものができていて、驚きました。早稲田大学、拡張しているのですね。そして、日本国籍で無い方も多数おり、入学式でも、日本語の説明の後に英語説明が入っていたのが印象的でした。大野先生の掲げられていた「国際化」が着々と進んでいるのですね。えぞ菊ラーメンやムーミン(夢民)カレーがなくなっていたのは残念でしたが、51号館以上にお世話になった西武やサン等の雀荘は健在でホッとしました。(笑)

※長文を全て読んで頂いた方、ありがとうございました。

※写真は、入学式の当日午前迄、家族5人で旅行していたスペイン、FCバルセロナの本拠地カンプノウで撮影したものです。大きなサイドチェンジのボールがぴたっとトラップされると、それだけで10万人の大歓声。70歳超のおばあちゃんがバンダナ巻いてがむしゃらに応援する姿に感激、メッシの2得点も見れて幸せでした。追加写真は、同じサッカー関係で、シンガポール駐在時に日本代表の川島選手や小野選手と会食した時のものです。

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【3】リレーエッセイ第10号

(シニアの部) 池田晃久

(中堅の部)  宮口直也

(若手の部)  永山恵輔

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(シニアの部) 池田晃久

1992年学部卒の池田です。

大野研在籍時の1991年、日本経済は絶好調。春には、元気の良かったゼネコン(大成建設)に決めました。大野研では何から何まで(本当に)お世話になって卒業しました。

入社から7年間は建築現場監督として、職人の方々と汗を流しながら横浜、名古屋、東京といくつかの工事に携わってきました。入社8年目には営業部に配属となり、営業として20年目に突入しました。営業配属当初はバブル崩壊後の建設不況のあおりを受けていましたが、今は来年のオリンピックを控え、建設業は好調です。しかし、五輪関連の需要が一巡すると建設投資は鈍りそうですし、建設現場の高齢化や引退もあり、先行きは不安と言わざるを得ません。

暗い話となりましたが、営業にきて良かったなと思うのは受注となったものが形となっていくことです。写真は今年のワールドカップの会場となる釜石のラグビースタジアムの工事現場です。ラグビーの仕事に関わることができ、印象に残る仕事となりました。

次回は私の同期の星野さん、よろしくお願いします。

(上)一緒にいるのは新日鉄釜石V7プレーヤー、元日本代表の石山次郎氏。新日鉄を退社後、大成建設に入社され釜石ラグビー場の現場で働いています。

(下)おまけ 釜石スタジアムのこけら落としに来た五郎丸とのツーショット

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(中堅の部)  宮口直也

みなさま、ご無沙汰しております。2004年修士修了、2012年博士修了の宮口直也です。

大学を卒業してエンジニアリング会社に機械のエンジニアとして就職し、20代での企画系業務の経験から中小企業診断士を取得の後、もっと知見を深めたいと31歳で大野研・修士課程に入学させていただきました。現在48歳ですので、本メルマガの「中堅の部」としては、いささかオジサンですがご容赦ください。

東日本大震災を震源に最も近い宮城県の仙台で経験し、その混乱が落ち着いた2013年、約20年務めた会社を退職して独立し個人事業を設立、翌年にアジュアスカイコンサルティング株式会社を設立し、主に新事業構築、新製品・サービス開発の推進コンサルティングを行っています。

クライアント企業にとって、これらの取組みはいわば「プロジェクトX」ですから難題突破の知恵や精神力が試されます。そういった肝いりのお仕事をご一緒させていただいていることは、仕事人として大変幸せな人生だと感謝の日々です。

コンサルティングの主眼は「高収益」です。大野研の研究テーマが「プロフィット・デザイン」ですから、まさにそれを受け継ぐ意志を持ってプロジェクトを推進しています。

そんな近況ですが、50歳を間近に「体力も仕事のうち」と思うようになり、ここ一年「週一ジム」を続けています。マシンで体を動かすだけだと飽きてしまうので、趣味のゴルフに目標をすり替えて、トレーナーさんにゴルフ向けメニューを作っていただき、頑張っています。

二ヶ月ほど前から始めたのが「ズンバ」というフィットネス用のダンスです。ラテンの音楽に合わせて踊るのですが、これがとても楽しい! いずれ「ZUMBA」と書いたタンクトップなど着ちゃうかも…です(笑)

写真は博士学位の授与式、大隈講堂の前です。大野先生、妻の泰子とともに。

次は、私が修士の時の学部生の元気印、中村壮伸さんにお願いしております!

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(若手の部)   永山恵輔

2017年修士卒業の永山恵輔と申します。

大学院での2年間、大野先生をはじめとする研究室の皆様には、大変お世話になりました。

そして今、OBという形で平成最後のメルマガを書かせていただいていることを感慨深く思っております。

私は現在、エヌエヌ生命保険という会社で営業マンとして働いております。

あまり聞き馴染みのない会社かもしれませんが、代理店の皆様を通じ、日本を支える中小企業経営者さま向けの生命保険を販売しております。

よく「なぜ生命保険の営業職を選んだのか?」と聞かれることがありますが、理由はシンプルに現場を知ることが、

人生経験のプラスになるのではないかと考えたからです。

実際に営業マンとして働いてみると、様々な知識だけでなく、自分自身の本質的な人間性が重要であるなと心から感じています。

一言に人間性とはいっても様々な要素がありますが、「この人なら信頼できる、この人なら任せられる!」と皆様に思っていただけるよう、

日々、もがきながら、逃げ出したくなりながら、都度自分と向き合って正しい道を探しながら、充実した毎日を送っております。

さて、そんな毎日を送ってはおりますが世の中は「働き方改革」ということで、様々な対策がなされておりますね。

この流れに乗じて?なのかはわかりませんが、4月頭に1週間お休みをいただきまして、会社の同期とスペイン旅行に行ってまいりました!

パスポートの期限切れ、飛行機の遅れにより乗り継ぎできない、ロストバゲッジなど…様々なアクシデントがありながらも

非常に楽しい毎日を過ごすことができました。

特に、現地でのサッカー観戦、聖地カンプ・ノウでのバルセロナ vsアトレティコ・マドリード戦は本当に感動させられました。

92,000人超える観客が一体となり、一つ一つのプレーに一喜一憂し、全員で応援歌を歌う光景は圧巻です!

他にも名物サグラダ•ファミリアやピカソ、モネの美術館、スペイン料理にワインと、スペインをたっぷり堪能してまいりました。

が、時間が足りなかったのが本当に心残り…

また機会を見つけてぜひ訪れたい場所でした。また仕事頑張らないと…

さてさて、次のバトンはついにあの方へ!みなさま楽しみにお待ちください。

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【4】不定期連載 「ウェルカムバック!」   大野高裕

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今月号ではお一人の研究室来訪がありましたのでご紹介します。瀬川明秀さんです。

瀬川さんは日経BP社で記者(一時、日経新聞も)や編集長で活躍してましたが、2年ほど前に「人生1回だから同じことばっかりやってちゃねっ」とシグマクシス https://www.sigmaxyz.com/ に転職してコンサルタントとしてがっちり稼いで(?)います。10年ほど前からアントレプレナー教育に関心を持っていて、大学院の経営デザイン専攻を立ち上げた時にいろいろとアイディアやコンテンツでご協力いただきました(今も手伝ってもらってます)。最近、「世の中これでいいのか?!」という疑問をお持ちで、特に『株主資本主義の限界』をヒシヒシと感じていて、それを打破するためには「大学が社会実験の中心とならなきゃダメ」と喝!を入れにきてくれました。ホワイトボードはそのときの議論内容です。これから定期的に議論をして社会を変え、大学教育を変える『志士』になろう!と二人で意気込んでいます。

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◇◆ 編集後記 ◇◆

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「e-OHNO MAIL NEWS第175号」はいかがでしたか。

バルセロナのカンプノウでのお写真がお二方も登場するとは。先日私のアルバイト先で久保建英選手にお会いしました。思ったより体ががっちりしていて到底高校生とは思えないオーラがありました。将来カンプノウのピッチに立つ日は来るのでしょうか。ちなみに僕は断然レアルマドリー派です。

e-OHNO MAIL NEWS で大野研OB・OGへ発信したい情報等ございましたらお寄せください。お待ちしております。

なお、バックナンバーは大野研究室のHP内でもご覧頂けます。

編集担当 摩嶋翼

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