***************************2015/8/17********************************************
e-OHNO MAIL NEWS 第131号
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今月号のe-OHNO MAIL NEWSの編集を担当させて頂くこととなりました,
修士課程1年の土肥怜生(どいさとき)と申します。
経営デザイン専攻では、短くも長かった前期課程を終え、夏休みに入りました。
大野研究室の各々は、就職活動に取組み、面接、インターンに励むもの、研究に邁進するもの、旅行や趣味など夏休みを満喫するもの様々です。
今月号のメールマガジンは、大野先生の原稿に加え、
「夏の必修インターンに向けて」を対象となる修士1年生を代表して、
土肥怜生、永山恵介、宮田拓磨、鈴木槙将の計4人よりお送りします.
ご存知かとは思いますが、所属しております経営デザイン専攻では、夏休みに必修科目として、企業にインターンできるという貴重なプログラムがあります。この貴重なインターンという機会に向けての、実施する内容や各自の意気込み、目的などお送りしたいと思います。
■ 今月号のコンテンツ ■
【1】守るもの 大野高裕先生
【2】夏の必修インターンに向けて
(M1:土肥怜生 M1:永山恵介 M1:宮田拓磨 M1:鈴木槙将)
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【1】 守るもの 大野高裕 先生
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娘・慎子(ちかこ)が元気であればこの8月22日に30歳を迎えていることになります。「死んだ子の歳を数える」という言葉は「無意味・無駄なこと」という意味で使われるかと思いますが、「どんな30歳を迎えていたのだろうか?」と思いめぐらすことは、私にとって決して無意味でも無駄でもなく、あれやこれやと想像して時間を共にしている幸せな時空間です。ひょっとするともう子供もいて、私は孫に囲まれたおじいちゃん?だったのかもしれません。
1週間ほど前、甲府に住んでいる姪の子供、小学校2年生が泊りがけで我が家に遊びに来ました。昨年夏は家内がディズニーランドに連れて行ったのですが、「とても暑くて耐えられなかった」と言うので、今年は「老夫婦そろってお相手をしよう、でも炎天下のディズニーランドは無理」ということで、涼しげな屋内のアミューズメントを探しました。そして見つけたのは水族館です。しかも池袋サンシャインなら屋内なのでバッチリ。そして現代っ子はゲームが好きですから、午後は高田馬場ビッグボックスの広いゲームセンターに連れて行きました。昔、ボーリング場だったワンフロア全部をゲームセンターにしているので広いこと。初めて入りましたがいろいろなゲームがあるのでたまげました。自分が時代に乗り遅れていることの甚だしさに圧倒された次第です。やっぱりもう歳だわね。
子供をお風呂に入れたり、トランプで遊んだり、さらには夏休みの特権とばかりに夜更かししてテレビに夢中なのに付き合っていたら、もうグロッキーです。仕事してるよりも百倍以上疲れました。でも、「おじいちゃんの味」をすっかり楽しませてもらいました。「慎子の子供もこんな感じで預かって遊んだんだろうな」と想像してとてもうれしかったです。翌朝、姪家族が迎えに来ましたが、子供はよっぽど「天国・極楽」だったのか「帰りたくないよ!」と駄々をこね、車に乗りません。「また近いうちに遊びにおいでね」と送り出しましたが、老夫婦は「1泊が限度だね」と納得。「来てよし、帰ってよし、孫の味」を実感しました。来夏も楽しみです。
今年は戦後70年。首相談話など、それにちなんだ動きがいっぱいありました。慎子は不思議な人で、どこでそういう考え方に行き着いたのか知る由もありませんが、事あるごとに「みんなを守るために戦ってくれた人たちを大切にしなければいけない。感謝しなければだめ」と言っていました。なので二人で靖国神社に参拝したこともありました。遊就館という博物館に入って、戦争で散った方々の家族への手紙や遺書を拝読したこともありました。家内も慎子に「行こうよ」と誘われていたのですが、靖国神社というと何となく先入観があって、二の足を踏んでいました。しかし、今年は行ってみようということで、8月12日に参拝しました。戦禍に倒れた約250万人という膨大な数の人たちが祀られている特別な神社です。国内外でいろいろと論議を呼んでいる神社であることは言うまでもありませんが、「何かを守ろう」として倒れていった方々であることに間違いはありません。
一言でいえば「国を守る」ために戦禍に散っていかれたということですが、その「国」の意味は軍部中枢で言えば「国体護持」という鵺のように実態がわからない、それでいて利権の塊のような捉え方だったのでしょうが、一方で普通の戦闘員としては「国」というは国民とか家族、親、兄弟、夫婦、子供という意味合いで捉えられていたのではないかと思います。身近な人たちを守るために銃をとったというのが庶民の感覚だったと思います。
それは今回、遊就館にある家族への手紙や遺書を再び拝読して強く感じました。一通一通を読んでいると涙があふれ、気が付いたら4時間の時が流れていました。母、妻、子を守るために自分が犠牲になる。自分が犠牲になれば皆が助かるのだと信じて、その一心で戦っていたことが痛切に伝わってくるのです。素人考えにすぎませんが、元々、あの戦争は勝つためというよりは、欧米列強の日増しに強まる締め付けに耐えきれず、何とか有利な状況を作り出したいという思いが強かったのではないかと思います。なぜなら、当時の日本は石油、鉄、機械のそれぞれを60%以上米国から輸入していたわけで、それの輸出制限をどんどんかけられて追い込まれていました。戦争を仕掛けて完全勝利するなど、誰も考えていなかったことでしょう。そして実際、開戦後半年だけは優勢にあったものの、残りの3年間はずっと劣勢の連続で、最後は民族そのものが全滅するかもしれないという状況にまで追い込まれました。
そうした背景の中で、情報の少ない一般国民がどういう気持ちで戦争に参加せざるを得なかったかの思いは、やはり手紙や遺書の中に示されていると思います。ある方の妻に宛てた手紙では、「自分が死んだら誰かと再婚して幸せになってほしい」と書かれたものの、後の手紙には「やっぱり生きて帰って、自分の手で幸せにしたい」という切実な思いが残されていました。あるいは幼い子供に向けて「お母さんを助けて、一生懸命勉強して立派な人になってください」という遺書もありました。いくつもいくつも読んでいると、書いたその人が、今、目の前にいて語りかけているように強く感じました。魂は生きているように思いました。
そして遺族の方々の英霊への手紙もありました。その中で新婚まもなく戦場に散った夫に対して奥さんが、「自分が医者になりたかった希望を夫は後押ししてくれていたので、それを叶えるべく頑張って生きてきた。だから70年間、夫はいつも一緒にいてくれた」と書いていたものもありました。とても共感します。いる世界は別々ですが、いつも一緒なのです。
家族など身近なものを守りたい。そのために自らのことを省みず進む。それはとても尊いことです。しかし、それは戦争の相手方も同じことで、家族がいて守るべきものがいます。どちらのほうが正しいのでもなく、より大切なのでもありません。自分が大切に守りたいものは、誰だって同じように守りたい。戦争をする、殺しあうなどということをしてはいけません。日本ばかりでなく、世界のすべての国や民族、人々が殺し合ってはいけません。正しいとか正しくないとかの色分けで、一方を論難して自分の正当性を主張し、相手を打ち負かすことは不毛です。また強いからといって無理強いすることも許されることではありません。
グローバル化が進展し、ダイバーシティが大切なこれからの世の中では、これまで以上に相手を尊重するための耐性や辛抱強さが求められてくることになります。白黒をつけるほうが簡単ですが、それでは紛争が起こります。本当の芯の強さを持つ人となることが、特にリーダーには求められることでしょう。と同時に「守ってくれる」人への感謝と尊敬も心の灯として大切にすべきではないかと考えます。
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■2■ 夏の必修インターンに向けて
(M1:土肥怜生 M1:永山恵介 M1:宮田拓磨 )
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M1:土肥怜生
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≪インターン先≫
コンサルティング会社
≪内容≫
クラスタリングツールを用いた企業、業界分析
≪目的、達成したいこと≫
私はこのインターンを通して、“技術”という観点から見た企業研究及び業界研究をしたいと考えております。また、お世話になりますインターン先に少しでもメリットが提供できるように全力で取り組みたいと思います。メリットが提供できれば、自己の成長にもつながるため、ぜひ達成したいです。
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M1:永山恵介
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≪インターン先≫
自動車メーカー
≪内容≫
自動車などの生産工程改善
≪目的、達成したいこと≫
私はこの夏、自動車メーカーでのインターンを行う予定です。そのなかで工程改善を行っていきます。今まで学んできた手法、技術が実際の現場でどのように再現されているのか。
現実とのギャップはどのようなところに存在するのかを学ぶことができるチャンスであり、非常に楽しみにしております。
また私は今回のインターンを通して、少しでも将来に生かせることを学びたいです。
具体的にこれを得たいというのではなく、目に見えるもの、聞こえるもの、感じるものから自分で考え、経験として積んでいきたいです。
せっかくの機会であるので、無駄な時間にせず、欲張りに学びたいです。
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M1:宮田拓磨
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≪インターン先≫
建設会社
≪内容≫
工場建設プロジェクトの現状分析・改善提案
≪目的、達成したいこと≫
私はこのインターンにおいて、企業の現場で実際に問題解決を実践し,自分自身の糧として
成長したいと考えています。
また来年の就職活動に備えて対象業界の実情を知りたいと考えております。
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M1:鈴木槙将
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≪インターン先≫
自動車部品メーカー
≪内容≫
高知能ロボットの制御・画像認証による空間認知精度向上
≪目的、達成したいこと≫
今回は私が卒業研究を通して培った「プログラミングやデータ分析の技術・経験」、そして卒業研究で用いた「粒子フィルタ」という数理的手法の知識が活きるテーマとなっております。そのため、このアドバンテージを最大限に活用して企業における研究開発の1つの礎となれるように精一杯努力したいと思っています。
◇◆ 編集後記 ◇◆
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「e-OHNO MAIL NEWS」第131号はいかがでしたでしょうか?
大野先生と研究室の現在の雰囲気を感じていただければ幸いです。
今後も「e-OHNO MAIL NEWS」をご愛読のほど、よろしくお願い致します。
なお、バックナンバーは大野研究室のHP内でもご覧いただけます。
第131号編集担当 土肥怜生
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発行元:早稲田大学 創造理工学部 経営システム工学科
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