研究テーマ

大野研究室では、『マーケティング・サイエンス』・『データサイエンスによる企業行動の分析』『ファイナンス・リアルオプション』などの領域で様々な統計手法や、数理解析、シミュレーションなどを用いて、研究活動に取り組んでいます。その内容としては、多変量解析や確率論を応用した理論研究、産業界に対する新たな知見の提供や社会課題の解決につながる実証研究のほか、企業との共同研究などの形でも研究を行っています。

マーケティングサイエンス

マーケティングサイエンスは、マーケティングの意思決定やその支援を数理モデルを構築してアプローチする研究です。具体的には、マーケティングにおいて重要な要素となる消費者行動や価格反応を数理モデルを用いて定式化し、新製品価格や新店舗立地などの意思決定の分析を行い、あわせてシミュレーションなどを用いて、市場構造や顧客セグメントごとの消費者モデルの構築や必要なマーケティング施策の効果なども検証することができます。また最近の新たな研究領域として、脳波などの生体反応をマーケティングに活用した、ニューロマーケティングの分野にも取り組んでいます。近年の研究事例として、企業のCSV活動内容の差異が消費者の印象形成や購買行動に与える影響やTVCMによる印象形成を脳波測定を用いて行ったアプローチなどがあります。

データドリブンの企業行動・戦略の分析

近年、提携や合併・買収といった、他企業との連携・統合などの企業戦略が企業の成長戦略として広く活用されるようになってきています。これらの研究は、従来、企業戦略論・マクロ組織論・組織間関係論といった分野で進められていましたが、データサイエンスを活用する事で、経営工学の分野からも、事例研究などによるアプローチでは得られない新たな知見を提供することが可能であると考えられます。研究室では、ゲーム論を用いたアライアンスの研究や、ネットワーク論を用いた合併・買収の相手先選択の研究などを行っています。

ファイナンス

ファイナンスに関する研究には大きく二つの分野があり、一つは、金融工学と呼ばれる領域です。金融工学では、様々な金融資産(e.g, 株、債権)について、合理的な市場価格を推定する事を目的とします。もう一つは、リアルオプションと呼ばれる領域です。これは、ファイナンスにおけるオプション価格の考え方を応用し、実物資産の価格設定、最適な制御方法を導く手法開発を目的とした研究を行います。また、理論から構築されたモデルに基づいて、モンテカルロ法や有限差分法といったアプローチや、エージェントベースシミュレーションを活用して、価格などの推定を行います。さらに金融工学におけるオプション理論を実資産の評価に応用した「事業価値の評価手法」についても研究を進めています。